北海道のソウルフードと言って真っ先に思い浮かぶのはジンギスカン鍋!
最近はどこでもジンギスカンを食べれるようになりましたが、鉄の鍋で羊肉(ジンギスカン)を焼いて食べるのは北海道だけです。

ジンギスカン以外にも、北海道ではよく食べるものだけど、実は全国区のものではなく北海道のソウルフードだった!なんていうものも意外とあります。

この記事では、道外で食べたくなってコンビニなどを探しても売っていない、人に聞いたら「なに?それ?」と言われてしまうものを紹介します。
どれも、「こんなに美味しいのに、北海道の人しか食べないなんて勿体ない!」って思う物ばかりです。

バターご飯


炊き立ての温かいご飯の上にバターを乗せて、ちょっとだけ醤油をかけて食べたことありませんか?
このバターと醤油の味って本当に相性抜群!
まさに、これぞ北海道のB級グルメで、私にとってバターご飯は冷蔵庫に何もないときに食べるご飯というイメージです。

北海道でよく聞く「バター醤油味」のお菓子やラーメンは、発祥はバターご飯だと勝手に思っています。

ドラマ「深夜食堂」や、「噂のケンミンショー」を見て初めてバターご飯(ドラマでは「バターライス」と言っていました)が北海道のソウルフードだと知りました。

バターご飯の起源

バターご飯が北海道で食べられるようになったのは、バターが生産されるようになった1926年頃と言われています。
当時は食料不足で脂肪を摂るのも難しく、手っ取り早く脂肪を摂るためにご飯にバターを溶かしてしょうゆをかけて食べたのがきっかけのようです。

バターは高いからとマーガリンで代用したくなりますが、ここはケチらずバターでいきましょう!やっぱり風味も味も全然違い、代用にはなりません。

トッピングとしてタラコや海苔を乗せると、ちょっと豪華なバターご飯になります。

栗の甘露煮入りの茶わん蒸し

出典:写真AC

スイーツみたいに甘い栗の甘露煮が入った茶わん蒸しが食べられるのは、北海道と東北だけのようです。
甘露煮の味が染みてちょっと甘くなった卵の部分が最高に美味しい!

ただし、北海道ならどこでも栗の甘露煮入りの茶わん蒸しが食べれるというわけではありません。

スーパーのお惣菜やお寿司屋さんの出前に付いてくる茶わん蒸しでは甘露煮が入っていることがよくありますが、外食で茶わん蒸しを注文すると、北海道の人以外も食べるので銀杏が入っている事が多いです。

栗の甘露煮の茶わん蒸しを知っている道産子としては、銀杏の茶わん蒸しはちょっと味気なく残念に感じてしまいます。

栗の甘露煮入りの茶わん蒸しの起源

北海道や東北など寒い地域では銀杏が思うように採れないため、簡単に手に入る栗の甘露煮を使っているという説や、「甘いもの=高級食材」という考え方の時に、お祝い事などで出される茶わん蒸しに入れたのが始まりという説があります。

甘納豆入りの赤飯

出典:写真AC

40代以上の方なら、お祖母ちゃんやお母さんが作った赤飯の中に甘納豆が入っていた記憶はないでしょうか?
赤飯の中にお菓子の甘納豆が入っているのは普通だと思っていたんですが、小豆が一般的と知ったのは大人になってからです。

甘納豆入りの赤飯を知らない人には「もち米の中に甘納豆?」って驚かれますが、これが凄く美味しい!
以前、「噂のケンミンショー」でも紹介されて、試食したタレントさん達も絶賛していました。

スーパーのお弁当コーナーで甘納豆入りの赤飯が並ぶのは北海道だけです。

甘納豆入りの赤飯の起源

札幌にある「光塩学園女子短期大学」の初代学長「南部明子」さんのお母さんが、子どもが喜んで食べるように赤飯に甘納豆を乗せたのが始まりのようです。

子どもの頃に、甘納豆入りの赤飯を食べて育った南部先生が、昭和20~30年代に北海道の料理教室で甘い赤飯のレシピを紹介したのがきっかけで、北海道で甘納豆入りの赤飯が普及し現在に至っています。

江戸揚げ


もち米を揚げたお菓子で、サクッとして塩味のする「江戸揚げ」も北海道のお菓子です。
江戸揚げは私が物心ついた頃からすでにあり、スーパーやコンビニでも必ず棚に並んでいます。

本州に住んでいた時に江戸揚げが食べたくてスーパーを探し回ったことがあるんですが、友人に「江戸揚げが食べたいけど売ってない」と言ったときに「何それ?」と言われて初めて北海道のお菓子だということを知りました。

こんな美味しい物が北海道だけでしか売られていないなんて実にもったいない!

私も時々固くなったお餅を油で揚げて江戸揚げもどきのお菓子を作りますが、江戸揚げのようなコクを出すことはできません。
その原因は、江戸揚げに使われているのはオホーツクの塩とのことで納得!

さすがロングランの老舗のお菓子だけあって、こだわりがあったんですね。

江戸揚げの起源

新潟に「新潟揚げ」という、北海道の「江戸揚げ」とよく似たお菓子があり、どちらも岩塚製菓のものということが判明!
「新潟揚げ」はしょうゆ味、「江戸揚げ」は塩味として分けられているようです。

他にも、「歌舞伎揚げ」や「ぼんち揚げ」というのもありますが、製菓会社が違います。

つまり製菓会社が違うものの、「〇〇揚げ」というお菓子は各地にあって、地域によって好みの味付け、ネーミングがされているようですね。

北海道が「江戸揚げ」とネーミングしたのは、はないちもんめの「みかん集めて東京へ送る」のように、東京(江戸)への憧れの気持ちを込めたものなのではないか?と、勝手に思っています。

ビタミンカステラ


子どもの頃から、ちょっと小腹が空いたときに食べていた「ビタミンカステラ」も北海道限定のスイーツです。
道産子にはお馴染みで、一度は食べたことがあるのではないでしょうか。
今でも1個100円以下で買えてちょっと小腹も膨れるので、年齢を問わずファンが多いロングラン商品です。

長崎カステラのような甘さも無く、ザラメが付いていないし高級さもありませんが「優しい味」という表現が一番ピッタリ!特に、表面の焦げた茶色い部分が美味しいです。

子供の頃は、よく牛乳に浸して食べていました。

ビタミンカステラの起源

高橋製菓の初代社長の「高橋樫夫」が長崎に行ってカステラ作りを覚えて、旭川で製菓会社を創業して1921年にビタミンカステラとして製造がはじまりました。

戦後の食料不足の時だったので、栄養が高くお手頃価格のビタミンカステラは子どもにも大好評だったようです。

それが、現在まで変わらぬ味だからこそ、年齢を問わず愛されてる理由なんでしょうね。

カツゲン


カツゲンの味を知らない人に味を聞かれた時「ヨーグルトとヤクルトを合わせたような味」と説明します。

子どもの頃は小さな瓶に入っていましたが、今は紙パックに入って売られています。
ちょっと味も薄くなって「昔とは別物!」と思っていたんですが、昔と同じ濃さのカツゲンが発売されたというニュースを見て「やっぱり、カツゲンファンは北海道でまだまだ健在」と、ちょっと誇らしい気持ちになりました。

よく、お風呂上りに牛乳を飲む人が多いですが、私が子どもの頃はお風呂上りにカツゲンを飲んでいました。

カツゲンの起源

もとは、「活素(カツモト)」という名前で軍隊の間で飲まれていたもので、戦後1938年に今の「カツゲン(活源)」という名前で店頭に並ぶようになりましたが、1945年に台湾から砂糖が輸入できなくなり生産が打ち切れた時期があったものの、1956年にふたたび北海道で売られるようになりました。

一時期、北海道以外でも販売されましたが、あまり評判は良くなかったようで発売が終了し、現在は北海道のソウルフードになっています。

おにぎり温めますか?

出典:写真AC

北海道では、コンビニで「おにぎりあたためますか?」と聞かれることに違和感は感じませんが、道外から旅行などで北海道に来た人が「おにぎり温めますか?」と聞かれると、かなり驚くようです。

どうやら、おにぎりを電子レンジで温めるのも北海道だけのようです。

大泉洋さんの出ているバラエティー番組が「おにぎりあたためますか」なんてタイトルになるほど、インパクトがある言葉なのでしょうね。

「じゃ、北海道の人は全員、冷えたおにぎりを温め直して食べるのか?」と聞かれれば、そうでもないですよね?
少なくとも、私の周りでは温め直して食べる人はいません。

どんな時に、どんな人がおにぎりを温め直して食べるのか?

冬に外で仕事をする人や、寒くて体を暖めたい人だと思います。

北海道の冬に外で仕事をしていると体の芯まで冷える事もあり、そんな日には温かいお茶と温かいご飯が食べたくなります。
そういった方達の要望も多く、コンビニでは、おにぎりを買った人に「おにぎり温めますか?」と聞くようになったのでしょう。

北海道民は砂糖味が好き?

北海道では色々なものに砂糖を入れたり付けたりしますよね。
「甘すぎるんじゃないの?」と思いながら食べてみると意外と美味しかったりして!

でも、他県では驚かれるような北海道だけの食べ方もあるようです。

納豆に砂糖を入れる

出典:写真AC

納豆に砂糖と醤油を入れる人を時々見かけます。
少数人数かもしれませんが、これも北海道だけの食べ方のようです。

道産子として興味があったので、どんな味になるのか試してみた結果、砂糖を入れて納豆を混ぜると醤油だけの時と比べて1.5倍くらいの粘りが出て、意外にも美味しかったです。
特に、砂糖を入れた納豆でお餅を絡めるのがおすすめ!

ぜひ試してみてください。

トマトに砂糖をかける

出典:写真AC

高齢の方がトマトを食べる時によく砂糖をかけます。
これは、好き嫌いに分かれるかもしれませんが、甘みの少ないトマトに砂糖をかけるとフルーツトマトのような味になります。

トマトの砂糖づけと言うのもありますけど、同じような味がしそうですね。

アメリカンドッグに砂糖を付ける

出典:写真AC

お祭りの屋台でよく見るアメリカンドッグ!美味しいですよね。

アメリカンドッグの屋台を見ると、トッピングにケチャップやからしと並んで砂糖もありますが、これも北海道だけのようです。

なぜここまで北海道の人は砂糖を使うのか?

道産子って、甘党が多いと思う人もいるかもしれませんが、それだけではなく、北海道では砂糖の原料となるビートの生産をしている農家が多いため、手に入りやすい調味料の砂糖を使うことが多いのかもしれません。

でも、若年層になるほど砂糖は使わなくなっているようです。
ちなみに私は、納豆は醤油だけ、トマトはそのままの味で、アメリカンドッグはケチャップ派ですから!

まとめ

「北海道あるある食べ物編!」ということで、道民のローカルフード、ソウルフードをまとめましたが、全国区だと思っていた食べ物はありましたか?

北海道は他の県と海を挟むだけあって、独自の食文化が生まれていることも少なくないようです!

この記事になかった「これも実は北海道だけ」という食べ物があれば、コメントに書き込んでいただけると嬉しいです。


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